航海士と機関士どっちがいいのか?

機関士
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船乗りになりたいけど航海士と機関士どっちが良いのでしょうか?

こんな人によんでほしい

  • 航海士と機関士について知りたい方
  • 航海士と機関士どっちになろうか迷っている方
  • 船乗りへの就活中の方

 

某大手三社海運の一等機関士が航海士と機関士はどっちがいいのか解説します。

航海士と機関士は同じ船乗りですが、仕事内容は全く違います。

機関士と航海士の違いについて少しでも理解してくれれば幸いです。

 

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仕事がきついのは?航海士?機関士?

結論

航海士と機関士どちらもきついですが、航海士の方がきついです。

 

航海士の方が仕事がきつい理由

  1. 船の衝突というリスクを背負う責任感が大きい
  2. 当直で夜中に働くという不規則な生活
  3. 入港すると大忙し

航海士と機関士の労働時間はどちらも基本的には長いですが、不規則な生活で、入港で忙しいことを考慮すると航海士の方が忙しいです。

 

 

日本人船員
 

10年以上船乗り(機関士)をしていますが、不規則な生活をしながら責任感が大きく、入港すると大忙しな航海士の方が忙しいと感じます。

日本人船員

航海士の方には感謝しかありません。

 

航海士のスケジュール

  1. 夜中に当直がある
  2. 労働時間が11時間
  3. 当直以外の仕事もたくさんある

下の表は一般的な航海士の当直スケジュールです。

航海士は1人計8時間の当直を課せられます。3等航海士であれば

  • 8時~正午(4時間)
  • 20時~0時(4時間)
  • 計8時間

赤字になっているのが夜中の当直です。

夜中の当直は基本的に当直者1人での操船になります。

当直者は船に関する責任を当直者1人で背負うことになります。

特に2等航海士や1等航海士は誰もが睡眠をとっている時間での当直になりますので、不規則な生活を課せられます。

基本2等航海士や1等航海士は朝や昼の寝れる時間を見つけ、休まなければなりません。

どんなに疲れていても、夜中に起きてきて、4時間の当直をしなければなりません。

しかし!航海士の仕事は当直だけではないのです!

下の3等航海士の一日スケジュールをご覧ください!


 

基本的な当直に加え、13時~17時まで書類作業や甲板作業をしなければなりません。

このスケジュールだと一日の労働時間は11時間です。

 

書類作業とは船が入港するために必要な書類等の準備です。

甲板作業とは船内の消化器のチェックや、ライフボートの管理などです。

これらの仕事は当直中にはできませんので、当直時間外の時間を見つけてしなければなりません。

 

機関士のスケジュール

  1. 仕事時間は8時~17時固定で規則正しい
  2. 残業ももちろんある

機関士はM0体制という働き方で働いており、業務時間は一般的なサラリーマンと同じく8時~17時です。

M0体制とは

カンタンに言うと当直業務がなく17時以降は機関室にいる必要がないということです。

機器にトラブルがあるときには17時以降でも対処しなくてはなりません。

 

航海士と比べて夜中に強制的な仕事を課せられないので、規則正しい生活になります。

 

では若手機関士の基本的な1日のスケジュールを見てみましょう。

基本的に8時~17時に加え、22時ごろまでは残業をします。

業務に関する書類仕事などです。

機関士も1日の労働時間は11時間程度です。

航海士と機関士の入港スケジュール

船が入港すると荷役という作業があります。

荷役とは、、、、

船が運んでいるものを港におろしたり、港から船に運ぶもの積む作業のことです

入港すると船は止まりエンジンは停止するので機関士は落ち着きますが、荷役が始まると航海士は大忙しです。

 

また、入港前は船が多くなるので衝突事故を避けるため航海士のほうが入港前の準備時間が多いです。

機関士は荷役には参加しませんが、航海士は荷役に参加しなくてはなりません。

入港中は航海士は非常に忙しいので上陸ができない時もあります。

結論

航海士と機関士どちらもきついですが、航海士の方がきついです。

航海士と機関士の労働時間はどちらも基本的には長いですが、不規則な生活で、入港で忙しいことを考慮すると航海士の方が忙しいです。

 

航海士の方が仕事がきつい理由

  1. 船の衝突というリスクを背負う責任感が大きい
  2. 当直で夜中に働くという不規則な生活
  3. 入港すると大忙し

航海士の方がしごとがきついんですね。

日本人船員

そうですね、航海士の方が入港で忙しく不規則な生活ですからね。

日本人船員

もちろんやりがいがあり素晴らしい仕事であることは間違いありません。

 

 

結婚しやすいのは?航海士?機関士?

結論

結婚しやすいのは航海士です。

航海士の方が結婚しやすい理由

  1. 女の子にもてる
  2. 世間的に機関士という仕事が知られていない

航海士の方がもてるんですね。

日本人船員

私の会社では、機関長になっても未婚などの人はかなりいますが航海士はそんなことはありません。

 

女性が航海士と聞いた時の反応は次の通りです。

日本人船員

普段は航海士として働いています

航海士ってすごいですね、ワンピースのナミみたいな感じですか?

えー船に乗る仕事ですよね!船酔いとかしないんですか?

男らしい仕事ですね!

女性の反応は様々ですが、あまり普段出会わないので、興味津々ですね。

 

ここから会話が弾み、航海士は女の子にもてるのです。

ではここで女性が機関士と聞いた時の反応を見てみましょう

日本人船員

普段は機関士として働いています

何ですかそれは?

はい以上です。全く機関士という仕事が知られていません。

航海士と比べると機関士は全く華やかな仕事ではないことが現実です。

結婚ができる=女の子にもてるが全てではありませんが、大事な要因ではあります。

やはり女の子によりモテる航海士の方が、機関士よりも結婚しやすいのは確かです。

 

転職しやすいのは?航海士?機関士?

 

結論

転職しやすいのは機関士です。

機関士が転職しやすい理由

  1. 様々な機器について精通している
  2. 業界からエンジニアとして引っ張りだこ

私は現在某大手三社海運の一等機関士として仕事をしていますが、数年前に本気で転職活動を行いました。

内定も数社貰えました!諸事情により内定を辞退し、現在も機関士としてしています。

私が実際に転職活動をして内定をもらった企業

  • 川崎重工(船舶舶用カンパニー)
  • 関西電力(電力プラント管理)
  • 西芝電機(モーターの開発)
  • ダイキン工業(冷凍機の開発)
  • ダイハツディーゼル(発電機の開発)
  • 山友汽船(工務管理)

エンジニアとして雇ってくれる企業はたくさんありました。

よく機関士はつぶしがきくと言われますが、転職活動をすると、本当だったなと感じました。

下の記事で船乗りの転職についても少し詳しく触れています。

航海士ももちろん転職はできます。特に多い航海士の転職後の職業は水先人です。

水先人とは船舶の入出港のために、船舶に乗船し入出港の指揮を取る入出港の専門家です。

 

給料が高いのは?航海士?機関士?

結論

大きな差はないが航海士の方が高くなる

航海士の方が給料が高い理由

  1. 入港での仕事が機関士よりもある

航海士、機関士の給料の差は残業代で発生します。

航海士は入港時の仕事が機関士よりも多く1日12時間などと働かなくてはならい解きもあります。

私の会社では機関士の月平均の残業時間は50時間~70時間ほどです。

航海士の月平均の残業時間は80時間前後です。

給料にすると最低でも5万円ほど航海士の方が多くなっております。

会社によって違いはあるので注意してください。

 

英語力が必要なのは?航海士?機関士?

結論

英語力が必要なのは航海士です。

航海士が機関士よりも英語力が必要な理由

  1. 外航船と連絡を取る機会がある
  2. 入港書類が英語

航海士が英語を使う大事な場面は、外航船と連絡をとるときです。

自船の航路に外航船が邪魔になっている場合その外航船と連絡を取り合って外航船を避けます。

外航船と連絡を取るときにはもちろん相手が外国人なので英語を使用しなくてはなりません。

その連絡を取る手段はVHFと呼ばれるものです。

また、入港のために作成する書類が英語の場合があります。外航船であれば、全て英語です。

 

機関士は内航船では一切英語力は必要ありませんし、外航船の場合でも、身振り手振りでのコミュニケーションができれば問題ありません。

船乗りの英語については次の記事で詳しく書いていますのであわせて読んでください。

 

 

まとめ

航海士について

  • 誰もが寝ているときに働く不規則な生活
  • 入港時非常に忙しい
  • 女の子にもてる
  • 忙しい分機関士より給料が高い
  • 最低限の英語力が必要

機関士について

  • M0船で規則正しい生活
  • 入港時は航海士より楽
  • 仕事に華がない
  • 英語力はほとんど必要ない
  • 転職がしやすい

 

日本人船員

航海士、機関士はそれぞれ一長一短です。

最終的にどちらになるかは直感で決めることが良いです。

日本人船員

私が機関士を選んだ理由は、転職がしやすいという理由です。

ライフプランを広く選択できることが決め手になりました。

航海士と機関士は同じ船乗りですが、仕事内容は全く違います。

ですが、どちらも非常にやりがいのあり、素晴らしい仕事であることは間違いありません。

船乗りは商船学校はもちろん、一般大学からでも誰でもなることの出来る職業です。

是非船乗りという職業も考えてみてください。

もし就活で不安な事、ES見てほしい、そもそも船乗りってどういう仕事なの、など

どんなことでもいいので相談に乗ります。学校や名前など全て匿名で構いません。

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